コラム・用語集

ビルの屋上などに用いる防水工事には、接着工法と絶縁工法があります。接着工法は、防水層を躯体のコンクリートと密着させる工法で、絶縁工法は躯体との間に隙間をあかせて、防水層を浮かせる工法です。

接着工法は施工に必要な器材が少なくて済む上工程が簡略化でき、コスト的にも優しいかもしれません。躯体と防水層が一体化することにはメリットとデメリットがあり、メリットとしては、施工性のよさに加えてコストが安く済み、工期も短くできる点です。屋上の歩行が可能となることもメリットで、重い設備機器を載せることも可能です。

デメリットは、躯体が変化することの影響を直接受けてしまう点です。躯体に水分が含まれる場合は、防水層に悪影響を与えるので注意が必要となり、躯体のひび割れや膨れに追従するために、その影響を直接受けるので、防水層のひび割れや膨れには注意が必要となります。

屋上の防水工事において接着工法を選ぶか、絶縁工法を選ぶかの選択には、いくつかのポイントを比べる必要があります。工期は十分とれるか工事費に余裕はあるかや、屋上の面積の広さによっても選ぶ工法は異なります。雨漏りに対する信頼性は、躯体との間に隙間のある絶縁工法が高く、公共的な建築物や、大型の建築物には絶縁工法が向いています。一方、工期の短い場合や小規模な事務所ビル、住宅等は接着工法でも十分です。接着工法が用いられる防水工法としては、繊維により補強された塩ビシートを重ねたものでつくるシート防水や屋上に直接塗るウレタン防水があります。詳しくは街の防水工事屋さんに現場調査をしっかり行ってもらい納得のいく提案・説明をしてもらいましょう。