コラム・用語集

塩ビシート防水とは防水加工の一つで、塩化ビニール樹脂系シートを採用した防水加工のことを指します。
防水加工の中では比較的工事の難易度が高く、施工できる業者が少ないですが、寿命が長いのが特徴です。防水シートを下地に張り付けて行う密着方法と、ディスク版などを使い固定する機械固定工法などがあげられます。接着剤などで塩ビ防水シートを貼り付ける密着工法は、ある程度強度があるので歩行などの用途に向いているけれども、施工後に接着剤がはがれたり、通気性が悪いので下地の影響を受けることもあります。もう一方の機械固定工法は、シート銅板を防水端末に固定して、塩ビシートと接合する方法です。亀裂や振動などの影響を受けることがなく、溶着材や熱風で一瞬にして接合するため、長期間接合面を安定に保つことができます。
塩ビシート防水のメリットとしては、紫外線や熱、オゾンに優れた耐久性があるという点です。塩化ビニール樹脂に耐久性を付与しているので、耐摩耗性があり軽歩行が可能となります。またメンテナンス性に優れていて、長期的に使いたいと考える場合には最適の方法と言えるでしょう。それまで使っていた防水材に上からかぶせて使うこともでき、短期間に低コストで工事をすることが可能です。しかし素材がシートであるため下地を平らにしておく必要があり、複雑な形状の下地には向いていません。接合部分で剥離を起こしたり、燃えるとダイオキシンが発生する点がデメリットといえるでしょう。