コラム・用語集

匂配屋根用葺きとは、屋根の傾きに対応した屋根葺きのことで、勾配とは屋根の傾き具合のことを言います。勾配の単位には寸法と分数、角度の3つの種類があり、傾き具合が大きいことを急勾配になります。数字が大きいほど垂直に近づき、壁のようになるということです。逆に傾きがなだらかな屋根は、屋根を目立たせたくない場合や、天井付近の室内空間をできるだけ多くとりたい場合などに使われる言葉です。
急勾配の屋根は、工事が大変になりますが水はけがよく、大雨の時に有利です。雪も積もりにくく、積もった雪が落ちやすい形状なので雪国では屋根勾配がきついことが多くなっています。屋根裏のスペースが多くなるので、室内空間のデッドスペースが多くなる傾向があります。傾きが緩い場合には、屋根がなだらかで工事がしやすいことがメリットですが、水はけや雪落ちが悪く、製品としては高度な構造が求められるので対応メーカーが少なく緩い匂配屋根用葺きに対応する縦葺きの屋根材を使う傾向になることが多く、室内空間を広く使うことができメリットがあります。
実際の屋根材を取り付けると、屋根材の厚みや立ち上がりによって、屋根の傾きが緩くなることがあり、これを戻り勾配と言います。傾きが大きな場合には、影響が少ないのですが、傾きが緩い場合には、屋根材によってさらに傾きが小さくなるので、薄くて戻り勾配が少ない金属の屋根材が緩い匂配屋根用葺きとして使用されることが多くなっています。