コラム・用語集

絶縁工法とは、防水工事のうち、防水層と下地をポイントごとに固定し、全体的な接着は行わずに浮かせたままにしておく工法のことです。全体的な接着を行う密着工法と比較すると、防水層と下地が絶縁されるため、防水層が下地のひび割れなどのダメージの影響を受けず、防水層が長持ちしやすくなるというメリットがあります。
さらに、絶縁工法の場合、工事をする条件が下地のコンディションに左右されないため、下地の事前処理を行う必要がないということも、大きなメリットの1つとなります。なぜならば、その分だけ工期が短くなり、費用も安くなるためです。そのうえ、設備の劣化による再工事の際にも、やはり下地に対する取り外し作業を行わなくて済むため、全体的な運用費用を抑えることができます。このような事情から、絶縁工法は総合的なランニングコストを抑えたい場合などに向いた工法であると言えます。
一方、絶縁工法のデメリットとしては、その工法の特性上、上からの負担がかかると、せっかくの絶縁状態が無意味になってしまうということが挙げられます。もちろん、ゴム底製の靴やスリッパなどによる軽歩行程度には耐えることができますが、人が一般的に行き交いするような重歩行には耐えることができません。そのため、そのような場所では、密着工法を行うことになります。これらのことから、絶縁工法による防水工事を行う際には、その場所が上からの負担がかかる場所であるかどうかが重要となっています。